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現在の流産の考え方

妊娠初期にお腹が痛くでも出血がある場合
皆さんは心配されるかと思いますが、
実際は以下の理由で電話、外来で
”経過を診ていきましょう”
とお返事することがあります。
そこで流産について勉強いたしましょう。

砧産のについて

流産はほとんどが赤ちゃん側の原因で起こる。

昔は、流産する原因はお母さん側と考えられ、
無理をするとおなかが痛くなり、出血するとされておりました。
そのため安静を保ち、張り止めや止血剤を使用したり、
ホルモン注射を打つ治療が行なわれておりました。
しかし現在、流産の原因のほとんどは
赤ちゃん側の要因で起こることがわかってきました。
すでに赤ちゃんが染色体異常であったり、多発奇形を有している場合は
自然淘汰され流産を食い止めることはできないのです。

流産の治療はなく、自然の経過を診ることが重要です。

流産の頻度は13〜20%と高いです。
しかし流産の原因が赤ちゃん側でおこることから
現在は積極的な治療を行なわないのが一般的な考え方です。
また、流産にいたるかどうかは出血、お腹が痛いなどの
症状のある、なしでなく、
定期的な健診にて確認、判断することになります。

兇發圭亰譴笋腹が痛いとき

順調に経過していても出血やお腹の痛みは起こりえる

妊娠の最初のころは、にわとりの卵大⇒にぎりこぶし大
⇒赤ちゃんの頭大のように、子宮が急速な勢いで増大していき、
その時に、子宮が引き伸ばされている痛みが出現することがあります。
またまれに子宮と赤ちゃんの袋の間に
血の固まりができて(絨毛膜下出血)、
それがが排泄されるために出血することがあります。
これらいずれの症状も治療方法はなく経過をみていきます。

⇔産の場合、赤ちゃんが自然に流れてしまうかどうか
経過を見ること
が必要です。

赤ちゃんの原因で子宮の中に留まることが
できない状態になったときに流産が起こります。
それは妊娠しなかったために子宮の膜が子宮収縮し、
生理となり出血してくるのと同じように
赤ちゃんが外に押しだざれようとして
お腹が痛くなり、出血していきます。

赤ちゃんが外に押し出されたあとは出血も減り、
お腹の痛みは落ち着きます。
それまでは病院の指示通りにしてください。

VBAC(ヴィーバック):帝王切開後経膣分娩について

最初のお子さんを帝王切開で出産されたのち
二人目のお子さんを経膣分娩で出産することを
VBAC(ヴィーバック:お医者さんの間ではそう言っています。)
と言います。
このことについてみなさまに聞いていただきたい知識がありますので、
意見させていただきます。

まずVBACを行った結果、
お母さん赤ちゃんはどうなる可能性があるかというと
1、半分のお母さんは経膣分娩される。
2、VBACしたお母さん約200人のうち、1人が子宮破裂をおこす。
3、子宮破裂したお母さん約100人のうち、1人は亡くなる。
=VBACしたお母さん約20000人のうち、1人は亡くなる。
4、子宮破裂したお母さん約100人のうち、7人の産まれた赤ちゃんが
亡くなるかハンディキャップを背負う。
=VBACしたお母さん約20000人のうち、7人の赤ちゃんが命の危険に
さらされる。

これらのデーターはほとんど緊急帝王切開ができる3次医療病院
(日本で言えば大学病院クラスで
365日24時間常に麻酔科医、多数の産婦人科医、新生児科医がいる病院)
のものであり、
またVBACをするのに危険である産婦さんが除かれているデーターです。

みなさまがVBACトライされる病院が
緊急帝王切開が短時間で可能で、
麻酔科医、多数の産婦人科医、新生児科医が24時間、
365日常にいること
がかなりの重要項目かと思います。

なおここでいう”麻酔科医”は
ただ帝王切開の麻酔ができるレベルでは決してなく、
子宮破裂して患者様の状態が非常に危険である時に
麻酔を行いますので、
麻酔科専門医であることはもちろん
出血も非常に多いことも予想されるため輸血の準備は必要ですし、
手術終了後もICU(集中治療)の必要性があります。

またここでいう”新生児科医”は
子宮破裂した時の赤ちゃんの予後が悪くなる可能性が高いため
新生児の専門医が立ち会うことのみならず、
蘇生成功後の赤ちゃんはNICUでの管理が必要です。

なおVBAC時の子宮破裂してからベビーを出産させるまでが
17分以内という非常に短い時間でないと
児の予後が悪くなる可能性があります。
またVBACの厄介な問題は
子宮破裂と気づくサインが難しく
そのサインが”おなかが痛い”ではなく
”赤ちゃんが苦しいかも知れない”であり
陣痛がつき始めたら胎児心拍数モニタリングはつけっぱなしでない
といけません。


私もそのような十分な施設でVBACをトライすることを否定は
いたしません。
なぜならVBACして
200分の1で子宮破裂をしても、
20000分の1で自らの命を失うことになる可能性があっても
経膣分娩をトライすることが良いと考えたお母さんがいても
これを否定することができないと思われるからです。

またVBACをしないことが批判されるようなこともあってはなりません。

私はみなさまがこの十分な情報を熟知しえた上で
VBACをトライされているかが大変心配です。
(上記のような十分な体制が整ってないところ:特に開業産院:
ではその危険性はそれ以上であることと
みなさまが本当に同意してVBACされるかと疑問に感じているからです。
たとえば私のような小さな医院では良かれと思っても
とてもVBACはできない状況なのです。)
ぜひみなさまに一度お考えいただきたいかと思います。
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